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「au 5G × AWS Wavelength」in Japan 始動

2020/12/17

みなさま、KDDIでIaaS/Edge Computingのプロダクトマネージャーを担当している佐藤です。

ここ数年チームメンバーのKDDI Cloud Blog投稿を後方で見守ってまいりましたが、本日は私がここ1年ローンチに向けて取り組んできた「AWS Wavelength」のブログを投稿させていただきます。

まずはじめに、12月16日、日本において初となるAWS Wavelength Zoneが東京で無事にローンチを迎えられたことに関し、AWSのみなさま、Pilot Testにおいて全面的にご協力いただいたソラコムのみなさま、コロナ禍のなかAWS WavelengthのPilot Testにご賛同いただき実施いただきましたお客さま、そしてKDDIの技術・運用・ビジネスサイドの仲間たちに心より感謝申し上げます。

12月16日のローンチにあわせて、AWS社との共同会見も開催させていただきました。  

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AWS Wavelengthは昨年12月の「AWS re:Invent」で発表され、通信事業者のネットワーク内(5G ネットワーク)にAWSのコンピューティングとストレージサービスを配備することで、端末からアプリケーションへ接続する際の遅延を最小限に抑えることが実現できるサービスです。

低遅延によるエンドユーザーさまへの新たな体験価値提供の他、アプリケーション開発者にとっても5G × AWS Wavelengthのメリットは多いと考えています。クラウドが普及し、クラウド上でアプリケーションを構築・稼働させているお客さま、アプリケーションの数は急激に増えております。しかし、端末からクラウド上にあるアプリケーションまでの”遅延”は、あって当たり前のものとして受け入れ、アプリケーションの開発をしているのが現状ではないでしょうか。例えば、ゲームのアプリケーション開発では、クライアント側で遅延を吸収するような工夫を行い実装をしたり、ユーザー間での調停処理などをしますが、「5G × AWS Wavelength を活用することで、そういった設計がシンプルになり、設計・開発工数が削減されることも可能になる」とお客さまからもコメントをいただいております。

AWS Wavelengthを利用するメリットとして低遅延という要素がもちろん大きいのですが、アプリケーション開発者としては、やはり馴染みのあるAWSサービス、API、ツールを使用し、容易に次世代の超低遅延アプリケーションを構築することも大きいと思います。Edge Computingはその単体のみで使うケースより、センター側のクラウドと連携して利用するケースが多く、クラウドとEdge Computingで使い勝手が異なる場合、開発者にとっては大きな負担になります。今回Pilot Testにご協力いただいたお客さまからも、「Region内で、Wavelength ZoneとAWSクラウドがシームレスに連携できることがとても大きい」とコメントをいただいております。

5Gが始まる前よりEdge Computingを利用しているお客さまはおりますが、オンプレミスに自社でサーバー等のインフラを投資し発注・搬入を行い、そのサーバー上にアプリケーションを構築する形態になるため、検証をするだけでも「コスト」という観点と「スピード」という観点における導入障壁は決して低いものではありませんでした。従量課金モデルのサービスとして、オンデマンドで利用できるAWS Wavelengthの登場により、その高い導入障壁は壊され、圧倒的なスピードと使いやすさで低遅延アプリケーションの構築・検証が可能となりました。

先日の共同会見でもお伝えしましたが、今回の東京に加え、大阪への展開ももうすぐです。その先の展開もお客さまの声をお聞きし、ニーズの多い都市からAWS社と協力しながら展開を進めていければと考えております。AWS Wavelengthの展開拡大により、アイデアを手軽に素早く検証し改善しながら実用化への道を進むことが容易となり、より多くの人にチャンスが広がること、これまで誰も体験したことのないサービス・アプリケーションが生み出されること、そして新たな共創ビジネスが実現することを非常に楽しみにしております。

今回のプレスリリースでは、4社のお客さまのPilot Testについてご報告しておりますが、早速多数のお客さまからお問い合わせとご利用予定のお話をいただいております。また、KDDI DIGITAL GATEからもAWS Wavelength Zoneに接続できる環境を21年1月にはご用意いたしますので、ご興味のあるお客さまは是非体験をしてみてくださいませ。今後も様々なユースケースをご紹介出来ればと考えておりますので、展開を楽しみにしていてください。

なお、今回のBlogだけではPilot Testの部分などを書ききれませんので、AWS WavelengthのKDDI側コアメンバーとしてPilot Testにも参加した、KDDIのCCoE、AWSアーキテクトである松本 健太郎より、AWS Wavelengthの技術的な側面含めPilot Testの状況を近日中に公開いたします。こちらも楽しみにお待ちください。

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左:アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 技術統括本部長 岡嵜 禎 氏

中央:KDDI 執行役員 サービス企画開発本部 副本部長 丸田 徹

右:TVT 最高技術責任者 髙橋 俊成 氏