2020/09/06
KDDIクラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)、ベアメタルサーバー開発担当の岩間 解です。
前回に続き、本ブログでは下記の改善点について、新機能の利用シーンやお使い頂く際のポイントをご説明いたします。
<改善点>
・i2.Large-24, i2.xLarge-48サーバーにてRaid配下でのOSインストール機能の実装(新RAIDタイプ追加)、(BootOption変更カタログ機能)
1. 概要
Large、xLargeサーバーのbootディスクはシングル構成のOnBoardディスクになっています。通常、OSはbootディスクにインストールするため、OS領域を冗長構成にすることはできません。本機能はお客さまより、i2.Large-24, i2.xLarge-48サーバーにおいてもRaid配下のディスクにOSをインストールしてOS領域も冗長化したい、というご要望を頂き、開発・実装した機能になります。 ※SmallとMediumタイプのサーバーディスクは全てRaid配下になりますので、OSはRaid配下にインストールされます。
2. 機能開発の理由
i2.Large-24, i2.xLarge-48サーバーのbootディスク構成は下記の通りです。 OnBoardに搭載されている480GBのディスクがbootディスクになっているため、Raid配下のディスクにOSをインストールしてもMBR等の情報がOnBoardに入ってしまいます。そこでRaid配下にOSをインストールすることを可能にする2つの機能をリリースしました。下記、インストール方法の説明のなかで新機能についてもご説明いたします。新機能はRaid配下にOSをインストールすること以外にもご利用頂けますので、用途に合う場合は是非ご利用ください。
i2.Large-24
i2.xLarge-48
3. インストール方法
①前提
当社でRaid配下にOSインストール可能であると確認したOSはWindows2016です。インストールする手順をご説明しますが、動作保証するものではありません。
②【新機能】AdminConsoleでのサーバー新規作成時に新Raidタイプ選択
i2.Large-24, i2.xLarge-48サーバー向けに新しいRaidタイプをリリースしています。
Raid配下にOSをインストールされたい方は、サーバー新規作成時に赤枠の新しいRaidタイプを選択ください。
③【新機能】BootOption変更カタログの実行
本カタログは“メンテナンス_お客様”ステージのタスク実行からご利用頂けます。初期設定のboot順序はOnBoardが最も高いですが、本カタログをご利用頂くとRaidが最上位のboot順序になります。機器障害でマザーボードが交換された時はboot順番が初期設定の順番に戻っておりますので、再度本手順を実施ください。
④OSインストール時の補足
OSをインストールする時に、MBR等をOnBoardディスクにインストールされないように対策する必要があります。当社ではRaid1以外のディスクをGPTでフォーマットする対処を行いました。具体的にはOSインストール画面でshift+F10を押下し、下記の通りdiskpartコマンドにてGPTフォーマットしてください。
list diskを実行します。
OSをインストールするRaid1のディスクであるディスク0以外に対してconvert gptを実行します。
list diskを実行し、ディスク1、2、3のGPTに*が付いていることを確認します。
この状態でRaid1のディスクにOSをインストール頂くと、下記のようにOS領域の全てがRaid1にインストールされます。
本手順で実施しないと”システムで予約済み”領域がディスク0に格納されます。
今回のブログでは、“新Raidタイプ”、“BootOption変更カタログ機能”を利用した“Raid配下にOSをインストールする方法”についてご説明させて頂きました。本機能もお客様からご要望を頂いた機能になります。Skylakeの新サーバータイプi2.Medium-24やCascade Lakeの新サーバータイプi3.Small-8もリリースされており、サーバーの選択肢も増えておりますのでお客様の環境に合わせたベアメタルサーバーをご利用頂けますと幸いです。