2023/07/24
こんにちは。KAGの篠原です。 普段はデータエンジニア/インフラエンジニアとしてデータ基盤の開発やデータを活用したソリューションの開発に携わっています。
先日開催されたSnowflake Summit 2023に参加してきたのでそこで見て聞いて感じたことを綴っていきます。
自分が今まで抱いていたSnowflakeの印象はクラウドネイティブなDWHとしてAWSやAzure, GCPが提供しているDWHよりも機能が豊富でかゆい所に手が届く製品ぐらいの印象を持っていました。 なんですが今回のSnowflake Summit 2023で感じたのは、そこからさらに世界を広げてデータを中心としたエコシステムをSnowflakeという1つのプラットフォームの中で実現できることが可能になる世界が目前にまで迫っていることを感じさせてくれるものでした。
これまでSnowflakeが提供していた基本的なクラウドネイティブなDWHとしての機能の上で提供される数多くの新機能の発表がキーノートではありました。
Native App FrameworkはStreamlitやSnowparkを使ったデータアプリケーションをSnowflake上で構築、配布ができるものです。これだけ聞くとそれほど目新しいものではないように感じるかもしれませんが、ここで重要なのはSnowflake上でデータを主軸としてアプリケーションが配布できるようになることでデータをマネタイズする手段がSnowflakeの中で完結するようになった、ということです。課金の方法もサブスクリプションや従量課金などアプリケーションの性質に応じて柔軟に設定できるようになっていることからも、データをマネタイズする手段としてSnowflakeがNative App Frameworkを提供していることが伺えます。
もう一つ大きな発表としてSnowpark Container Serviceがありました。 簡単に言うとSnowflakeの中でコンテナを立ち上げて実行できるというものです。 Snowflakeに貯まったデータを活用するための重要な武器としてこのサービスが提供されている印象を受けました。似たようなサービスはパブリッククラウドで従来提供されていますがSnowflakeというデータが近い環境で柔軟にアプリケーションを提供できる環境が提供される、という所に面白さがあると感じました。 例えばLLMに入力するデータとして自社に貯まっているデータを使ったりデータをAPIとして提供するアプリケーションの作成など活用方法は幅広いものになると思います。
Snowflakeはただデータを貯めるだけではなく、そこからさらに価値を創出する手段を提供するという姿勢はNVIDIAとの協業にも表れていると感じました。 データを活用していく際には多くのコンピュートリソースが必要です(例えばLLMの学習、ファインチューニング)。そこでNVIDIAのGPU処理ができるようになるというのは鬼に金棒、虎に翼、弁慶に薙刀ですね!(突然のことわざラッシュ)
Snowflake Summit 2023の開催地であるラスベガスでは巨大なスクリーン広告が街の至る所で見られるのですが、その巨大なスクリーン広告にModern Data Stack関連のプロダクトの広告がでかでかと出されている光景を見て何か別の世界にいるような感覚を覚えました。 日本で普段暮らしていてModern Data Stack関連のプロダクトの広告をリアルに見ることなんて今後一生ないと思います。それを体験できただけでもSnowflake Summit 2023に参加した意義はあったと思います。
1つのプラットフォームでデータドリブンな世界を拡張し続けるSnowflakeに今後も期待したいと思います!