2022/01/10
学習スピードは若手にかなわないなぁ、なんて思っている方、いらっしゃいませんか?はい、私がそうです。今回は、そんな自分に響いた書籍2冊についてご紹介させていただきます。
これまで、できるだけ多くのことを学ぼうと様々な書籍を読んできましたが、イマイチ身になっていないと感じることが多く、本書籍が1つのブレイクスルーになりました。本書から学習の方法自体を学ぶことの重要性を改めて知るとともに、これまでの経験と照らし合わせ、その重要性を実感するに至っています。学習することの重要性は周知の事実と思いますが、"こと学習に関しては、研究による裏付けのない思い込みが多々まかり通っている"、と本書に記載がある通り、学習プロセスの価値については軽視されているように思います。効果的な学習プロセスとは?を学び、40代以上の我々もまだまだイケる!ということを再認識したい方、おススメです。
本書で紹介される6つの学習プロセスを順に紹介していきます。 1. 価値を見出す 2. 目標を設定する 3. 知識とスキルを伸ばす 4. 専門知識を発展させる 5. 関係付ける 6. 自分の理解を再考する
"学びたいと思わなければ学ぶことはできない。よって、まずやることは、学習と自分との関連性を探し、意味付けをすることが大事。"とは著者の言葉ですが、学習するためには目的であったりと学習に対するモチベーションは明確にしないと、何をするにしても続きませんよね。まず学習の意義だったり、意味を見出すことから始める必要があります。
"多くの調査が証明しているとおり、明確な目的がある人のほうが「いい仕事をする」ことが多い。よって、学習目標は漠然とした願望ではなく、達成しやすいベンチマークを設定したほうが成功の確率があがる。しかし目標設定に関しては注意してほしい。ストレッチゾーンと呼ばれる、らくらくとできる範囲の少し先に背伸びした目標を設定したとき、人の能力は大きく向上する。"、だそうです。これはよく言われることだと思うのですが、私自身も海外現地法人勤務時代、SEなんてやったことないのに、ある企業に単身常駐SEとして放り込まれたとき、英語もしゃべれないのに英語だけの環境に放り込まれたインドでの駐在など、やったことのないことに対して挑戦したときに能力が大きく向上したことを実感しています。
”学習のこの段階では、能力を磨き、パフォーマンスを向上させるためにそのことに特化した手段を講じる必要がある。自分の知識を記憶から取り出す検索練習(なにかを学習した際に何が書いてあったか、何が重要か、を自問する)、自分がやってることの何が正しくて何が間違っているかを自問すること、日々自分の活動を観察し、学習日記をつけること、こうすることで知識とスキルを伸ばすことができる” グループの皆さんには、毎週、週報の記載とともに、よかったこと、まずかったことを振り返って記載していただくことを推奨していますが、この効果は研究で実証されていることでもあります。よいふりかえりは非常に難しいので、ふりかえりについても習慣化して日々改善していくのが大事なんだろうと思います。
"学習プロセスのこの段階では基本から踏み出して知識を応用したい。人前で話すスキルを向上させたいのであれば、人前で話す経験を積むこと、コミュニケーション能力を向上させたいのであれば、より多くの様々な考え方を持った方々と話す経験を持つことが重要となる。そして実践は時間と努力が必要とされるため、感情面への支援が必要不可欠であり、ささやかであっても進捗を測ってねぎらうといい。" この点については当グループの加藤真人さんが得意とするところと感じており、いつも見習わせていただいてます。加藤さん曰く、対応開始当初から得たいもの、Outputを意識しているとのことだったので、私も最近は意識するようにしています。
全てがどうかみ合うかがわかるフェーズです。個々の事実や手順がどう関わり合うか、そしてその根底となる体系を知るために、まずは事実情報の先に目を向け、物事がどう結びつくのかを知る、そして関係性を検証するような質問を自分にすると良いそうです。 私も最近、オリンピックに影響され、スケボーのオーリー(ジャンプするテクニック)を子供と一緒に練習してたりするんですが、オーリーの仕組みとコツを学ぶ、実践する、を相互に学習することで、おっさんの私も上達が早くなっているように感じます。
自分が本当に理解しているのか、再考するフェーズです。このフェーズでは他者の存在が大いに役立ち、多様な物の考え方に触れると学びの質は上がりやすいそうです。そして内省、ふりかえり。エンジニアの皆さんはよく登壇やブログなどで情報発信されますが、これらも自分の理解を再考する、自分の血肉にすることに大いに効果があります。私の趣味であるランニングでも、より速く、より効率的に走れるようになるためには、体系だって理論を学び、実践し、ふりかえりを行うと良い、ということを実感します。手の振り方、背筋の使い方、着地の仕方、ピッチ、重心、意識すべき点は非常に多くありますが、バラバラでは全く役には立ちません。これらを体系的にまとめ直し、ふりかえることにより、よりよくなるためのTipsを自分の血肉にすることができます。
本書では学習プロセスのみならず、学習支援のためのコツについても紹介されています。興味を持たれた方はご一読ください。長くなってしまいましたので2冊目はまた別の機会に。