2022/12/12
こんにちは。KDDIアジャイル開発センターの竹川です。 KDDIアジャイル開発センターでは、2014年からベトナムでのオフショア開発を現地パートナーと行っています。 KDDIアジャイル開発センターにおけるオフショア開発の歴史、および3年振りのハノイ現地訪問については以前の記事(3年振りにオフショアメンバーと会ってきた(ハノイ編) | KDDI Engineer Portal)でご紹介済みとなりますが、ハノイの現地訪問のタイミングに合わせて、アットウェア様と実施させていただいているホーチミンシティのオフショア拠点に初めてお伺いすることができましたため、その様子についてお話したいと思います。
9月11日週の前半にハノイ、後半にホーチミンシティの日程でした。ハノイ訪問後、ベトナムの国内便を利用し直線距離で1100km以上、約2時間のフライトを経て、ホーチミンシティに当社社員2名で訪れました。 目的としては初めての拠点訪問ということもあり、開発拠点の情報セキュリティに関する監査もありましたが、大きな目的はハノイ同様、現地メンバーとの今後の円滑なコミュニケーションの礎となる人間味のある関係性を築くことです。特に、アットウェア様とのオフショア開発は2020年のコロナ禍に開始し、約2年間リモートでのPC画面越しのみの接点となっており、今回の訪問は長い間熱望されていたものでした。「百聞は一見に如かず・百見は一触に如かず」と言いますが、リモートでの日々の業務、チームビルディングなどで築いてきた人間関係はありつつも、現地でのダイレクトコミュニケーションに期待せずはいられませんでした。
「人間味のある関係性を築く、そのためにお互いをよく知る」という目的のために、2つのワークショップを行っています。
Moving Motivators
よりよいチームとしていくための意見交換
ハノイ訪問時と同様(3年振りにオフショアメンバーと会ってきた(ハノイ編) | KDDI Engineer Portal)、具体的なワークを行うことで、オフショアメンバー各自の価値観について無理なく話せる場を醸成するために、Management 3.0のプラクティス(https://management30.com/practice/moving-motivators/)を使って、ワークショップを行いました。
若いメンバーもおり、仕事に対してこのような価値観を考えること自体が少ないのではないかと思いましたが、アットウェア様の大事にされている人間的な繋がり、信頼関係を個々人が大切にし・現在充実していることを表現いただきました。もちろん各々の個性を理解することもできましたが、何よりチームとしての一体感・芯の強さをとても感じたワークショップとなりました。
テーマとしては、一見日々の振り返りでも常に議論しているような内容に見えますが、今回は諸事情により日本・ベトナム全体に体制変更が発生するタイミングであったため、改めてチームとしてストレスなく日々成果を出すための働き方に関するディスカッションを行いました。具体的には、新体制に向けて現在不安に思っていること・解決していきたいことをテーマにブレインストーミングし、その中でメンバーが強く課題意識を持つ内容について深堀をしていきました。 私もオフショア開発を数年経験しておりますが、日々当たり前のように過ごしていることでも、改めて深く考えたくなるテーマが複数ありました。例えば
日本とベトナムとの時差は2時間であるが、チーム全体として多くの時間を共に過ごすには、デイリースクラムを何時に置くべきか
言語の壁を解消しつつも、その対応で特定のメンバーに負担がかかりすぎないようにするにはどうすればよいか
スクラムとしてはワンチームを目指しつつも、日本・ベトナムそれぞれのよさを引き出すにはどのようにするとよいか
その場で答えが出たもの、出なかったものありましたが、日々の開発に忙殺されてミクロな視点に向きがちな状況に対し、初心に返ってオフショア開発のキホンのキから考えることのできるよい機会となりました。また、議論内容自体も充実していましたが、実際に会い、ディナー・ランチを共にし、Moving Motivatorでお互いのことをさらに知ったあとでの意見交換であったため、これまで以上に距離が近く、フラットにディスカッションを行うことができる状態になったことが、一番の成果になったかなと思います。
お昼のワークショップを終え、現地での夕食時の話です。私たち日本メンバーはずっと「ホーチミンチーム」と呼んでいたのですが、「本当はサイゴンチームと呼んでほしいんだよね」という一言に衝撃を受けました(本ブログのタイトルに繋がります)。2年間で時間をかけて縮めた距離をたった1日で凌駕してしまったような感覚でした。 オフショアに限った話ではありませんが、対面で仕事をする機会はとても減っています。そのような状況の中、言語・文化の違いを感じやすいオフショア開発こそ、定期的にオフラインでお互いの文化に触れ、交流する機会を持つことが重要なのではないかと感じました。今回築いた関係性をリモートワークでさらに磨きつつ、次回の再開を楽しみに待ちたいと思います。
今回初めてのホーチミンシティもといサイゴンでしたが、ドンコイ通り(別名ベトナムの銀座、プチパリ)やコロニアル建築の建物、サイゴン中央郵便局、高層ビルなど、都市の中に多くの観光スポット・ランドマークがあり、それらを辿るように街歩きしていくと、頭の中の地図がどんどん埋まっていきました。 特に、2階建てのオープントップバスは市内を効率よく、楽しく巡ることができるのでオススメです。特に雨季には運が良ければ?東南アジアの洗礼(=スコール)を惜しみなく味わうことができます!
訪越した翌月に、今度はサイゴンメンバーが日本に早速来てくれました。恩返しとして、今度は日本の文化をたくさん味わっていただきました!