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ラスベガスでAWS Game Day/JamしてきたのでFun Done Learnで振り返る[AWS re:Invent 2022 Report]

2022/12/24

はじめに

KDDI アジャイル開発センター(以下KAG)の三宅 @jnymyk です! アメリカ ラスベガスで開催されたAWS re:Invent 2022に現地参加しました。

今回のre:Inventでは現地でしか得られないことにフォーカスして自身の手を動かすようなコンテンツを体験してきたので、Fun Done Learnでふりかえりつつレポートします!

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AWS re:Inventとは?

AWSによるクラウドコンピューティングに関する世界規模の「学習型」カンファレンスです。今年は2022/11/28(月)から12/2(金)の日程で開催されました。 5つの基調講演と数多くのセッションが提供されていました。 AWSによると、AWS re:Invent 2022は過去最大希望の参加者数を誇り、現地参加者は50,000人以上、オンライン参加は300,000人以上とのことでした。

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セッションのカテゴリについて

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AWS re:Inventの現地セッションを大別すると、現地でしか体験できないような手を動かす系のコンテンツと、座学や講義形式で情報をインプットする系のコンテンツの2つがあります。 また、座学や講義形式で情報をインプットする系のコンテンツは過去の経験からほとんどのものが後日動画配信されることが予想出来たため、今回は手を動かす系のコンテンツからGamified learning(Game Day/Jam)を選択しました。

Game Dayとは

ハンズオン形式のラーニングコンテンツで、Unicorn.Rentalsという架空の企業のビジネスをテーマに制作されています。

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現実世界の問題を解決するためのAWSソリューションを実装するスキルをテストするチーム対抗のコンテンツです。 ある目的に対して不完全な状態のAWSアカウントが提供され、これを改善していきます。 最大4人でチームを組み、改善の都度加算されるポイントの合計で競います。 各タスクにはヒントが設定され、利用するごとにポイントが減点されます。より詳細な情報が得られるヒントほど減点が大きくなります。

参考: https://aws.amazon.com/jp/gameday/

Jamとは

ハンズオン形式のラーニングコンテンツで、Unicorn.Rentalsという架空の企業のビジネスをテーマ制作されています。DevOps & Modernization, Data & Analytics, Securityなどのテーマがあります。

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コンテンツのテーマに違いがあるものの、AWSソリューションを実装するスキルをテストするチーム対抗のコンテンツという点ではGame Dayと大きな差が無い印象です。 こちらも最大4人でチームを組み、改善の都度加算されるポイントの合計で競います。 各タスクにはヒントが設定され、利用するごとにポイントが減点されます。より詳細な情報が得られるヒントほど減点が大きくなります。

参考: https://jam.awsevents.com/

運営からセッションのJamの進め方例の紹介にScrumの文字があり、スクラムでチームとして担当するのか、ソロなどでタスクを分担して担当のか戦略の例として記載されていました。 reinvent_rules_of_jam Lots of strategies work - scrum or divide an conquer ... (多くの戦略 - スクラムで取り組むか、分割して乗り越えるか)

参加セッションと結果

Game Day: The New Frontier

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Unicorn.Rentalsのビジネスをテーマに10以上のコンテンツがありました。 チームはKAGからre:Inventに参加している山田さん、個人でエントリーしていた日本のインフラエンジニア、USのベテランアプリエンジニアの4名でした。 Game Day初参加であっという間に4時間が過ぎてしまい順位は中の下くらいで悔しい結果となりました。 ルールの把握や、自分で担当したコンテンツで手一杯で、アウトプットのための写真やメモなどほぼ取らずにあっという間に4時間が過ぎてしまいました。

Jam: DevOps & Modernization

reinvent_jam_1 ECS, ECR, CodePipeline/CodeBuildなどを使ったCI/CDの構築やトラブルシュートなどをテーマに13のコンテンツがありました。 チームの日本人は私のみ、USのアプリエンジニアが2名、台湾の大学生が1名の4人チームでした。 事前にGame Dayで雰囲気を掴んでいたため、落ち着いて参加できました。 最高で8位までにいっていたものの、徐々に未完了のコンテンツが多いことが効いてきて順位を下げていき全体61チーム中28位に。

ふりかえり

スクラムにおいて、スプリントの終わりに実施するふりかえり手法の中から今回はFun Done LearnでGame Day/Jamについて振り返ってみました。

Fun Done Learnとは?

やったこと、考えたことなどをFun(楽しかったこと)、Done(完了/やり切れたこと), Learn(学び)の3つのカテゴリにマッピングして振り返る手法です。 それぞれは排他的なものではなく、FunかつDoneやFunかつDoneかつLearnなど重複してマッピングすることもできます。 弊社KAGにはFun Done Learnの歌を作っている人 がいます。

ふりかえり結果

Fun Done Learnにそれぞれの要素をマッピングした結果このような感じになりました。 reinvent_fdl

Fun Done Learnそれぞれの視点でふりかえりの内容を取り上げていきます。

Fun

  • 海外のDeveloperやチューターを担当しているAWSのSolution ArchitectとGame Day/Jamでワイワイしながら交流ができた。

Done

  • 国も言語も異なるメンバーと、普段開発チームでやっているようなふせんにタスクを書いて、完了したらDoneレーンに持っていくようなカンバン方式のタスク管理ができた。

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Learn

  • 国や言語を超えてふせんでタスク管理をやり切るには強い意志と、チームへの根気強い説明が必要。
  • Game Day/Jamは英会話必須だが、中学校で学習するような動詞+専門用語の名詞の組み合わせでも何とか伝わる。

Fun&Learn

  • テーマがDevOpsだからか、チームメンバーは親しみやすく、オープンマインドな傾向があった。
  • 国が違えど対話や協力を通してチームで目的を達成していこうとしていた。

Fun&Done&Learn

  • なじみのあるAWSサービスであっても、未知の機能や設定があり、改めてAWSサービスの奥深さやアップデートの速さを感じた。
  • Jamでは全12タスク中チームで9タスク完了、そのうち3つを自身で完了できた。

ここからはチームワーク、技術、英語という視点で振り返ります。

チームワークについて

  • 私たちのチームでは各自でタスクに詰まった時にヒントを使わずに粘りすぎてしまい、結局全てのタスクが終わり切らずに終了しました。
  • 冷静に振り返ると、ヒントを利用して減点されたとしても迷ったらすぐ使った方が結果としてチームとして高得点を狙えたと感じました。
  • 国や技術領域など、それぞれのバックグラウンドが大きく異なる初対面のメンバー間で、自然に任せて何もしなければ心理的安全性は保てないと強く感じました。
  • 少しやり過ぎな位アイスブレークの時間を取った上で、"事前に10分試行錯誤してダメなら減点されてもルールを使おう"というような取り決めをしておくとチームでヒントを使う心理的なハードルを極力下げることが出来たと考えています。

技術について

  • DevOpsに関連するAWSサービスやツール・概念(Git, CI/CD)、Modernizationという文脈で登場する技術(コンテナ、Docker、サーバレス)は国を超えても同じような使い方をされており、自分の得意とする領域ではチームに貢献できるところがかなり有るなと手応えがありました。
  • 特に弊社KAGでは様々なプロジェクトを通してAWSを中心としたインフラからCI/CD、バックエンド/フロントエンドまで幅広く経験するチャンスがあり、それらの経験が活かすことが出来たと感じました。

英語について

  • 半年ほど前から業務で英語が必要になったため、オンライン英会話を受講していました。英語を話す・聴くということの心理的なハードルを下げる効果は感じましたが、今回のようなエンジニア同士でワイワイする場に直接的に活かせたものは少なかったです。
  • 今回のGame Day/Jamのように技術者同士でワイワイする時に本当に役立ったと感じたのは、ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30という書籍です。USのBig Techで勤務する著者がDo, Have, Getというような基本的な30の動詞で実例を交えて解説しています。私はこの著書を途中まで読んでre:Inventに臨んだのですが、Game Day/Jamでのコミュニケーションに最も役立ちました。

この著書については読了したら感想や効果などアウトプットしたいと思います。

さいごに

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました! もしラスベガス現地でAWS re:Inventに参加できるチャンスがあれば、ぜひ現地でしか体験できない学びや交流にチャレンジしてみてください。 多くのFunとDoneとLearnが得られると思います。

また、弊社KAGではエンジニアをはじめ、一緒に働く仲間を募集中です! もしこの記事を読んで少しでも興味があれば、お気軽にカジュアル面談をお申し込みください! https://kddi-agile.com/recruit

おまけ

Jamについて現地でツイートしたらAWSジャパン様の公式Twitterでリツートいただきました。 AWS re:Inventを全力で楽しんでる感がお伝えできたのでは!?と個人的に思っています笑。 こんな感じで参加イベントについてゆるくツイートしているので、ご興味あれば@jnymykをフォローいただけると幸いです!

reinvent_2022_miyake_tweet https://twitter.com/jnymyk/status/1598125215032414208?s=20&t=ig6WFgj4KbtrayJpMGubGQ

また弊社KAG公式Twitter@kddi_agileでは現地参加したメンバーのツイートをre:Inventレポートとしてまとめています。こちらもご興味あればどうぞ!

re:Invent 2022 vol.1(11/27〜11/28) re:Invent 2022 vol.2(11/29) re:Invent 2022 vol.3(11/30) re:Invent 2022 vol.4(12/1)

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