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AWS SUMMIT TOKYOへの出展 - au 5G/MECを用いた遠隔操縦デモ ー

2023/04/19

こんにちは。AWS Wavelengthのプロダクトマーケティングを担当している海江田です。 2023年4月20日から21日に幕張メッセにて開催されるAWS SUMMIT TOKYOへKDDIブースを出展することになり、「5Gを用いた遠隔操縦のデモ環境」を構築しました。このデモ環境は、au 5GとAWS Wavelengthのプラットフォームを利用して、無線環境においてラジコンカーを遠隔操縦するものとなります。ラジコンカーの車載カメラからの映像信号と操作者からの制御信号をより低遅延で送受信できる構成となっております。 aws summit 1

【ご参考】AWS Wavelengthとは、au網内でAWSのインフラストラクチャサービス(EC2など)を利用できるサービスです。このためインターネットの影響を受けずにauに限定されたネットワークで安定した通信環境でAWSをご利用できます。 今回は、株式会社ソリトンシステムズさまのご協力を得て、ラジコンカー制御システムを開発していただきました。実際のラジコンカーはこんな感じで、正面に車載のUSBカメラが搭載されています。ちょっと戦車っぽくてカッコイイですね!(笑) aws_summit_2

背景

遠隔操作については、過去に手術支援ロボットを用いた実証実験を株式会社ソリトンシステムズとリバーフィールド株式会社と実施しており、この時の実証実験を通じてさまざまなインサイトを得ることができました。 (実証実験のレポート記事はこちら) 今回は、「モバイル通信は移動するものにこそ役に立つべき」との思いのもとで、動くものを遠隔操作、遠隔操縦するデモ環境を用意したい、という考えからスタートしました。

アーキテクチャ

制御側(ラジコンカー)については、車載カメラの映像をJetsonのボード上に実装したソリトンシステムズ社の「Zao SDK」にてエンコードし、5Gルータ経由で映像を送信します。「Zao SDK」は従来エンコーダー装置で行っていた機能をSDK化されたもので、Jetsonのボードに組み込めるため、お客さまにとってエンコーダ装置の筐体のスペース・電源等の課題を解決できます。一方操作者側は送られた映像をPCで閲覧しながら、コントローラで操作します。映像信号・制御信号の中継機能は、AWS Wavlength上に配置されたソリトンシステムズ社の「Zao Cloud View」が担います。 aws_summit_3

コントローラは、PlayStation®5のコントローラと同じものです。 本体は今回のデモ用の完全手作りなのですが、とてもキレイな出来栄えで普段ハードウェアをあまり扱わない私にとっては、開発者をただただ尊敬するばかりです。 aws_summit_4

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AWS SUMMIT TOKYOに展示

このデモンストレーションを、2023年4月20日~21日に幕張メッセで開催されるAWS SUMMIT TOKYOのKDDIブースにて展示いたします。(AWS SUMMIT TOKYOについてはこちら) KDDIブースでは、東京都内のKDDI DIGITAL GATEに置かれたラジコンカーを幕張メッセの会場から遠隔操縦する体験ができます。果たして上手く操縦できるでしょうか?(今回のデモキットについては、実は私も初めての遠隔からのトライとなり、結果がどうなるか?ドキドキしております。) AWS SUMMIT TOKYOにご来場予定のお客さまはぜひKDDIブースにもお越しいただき、お客さまの手で試していただければと思います。皆様にお会いできることを楽しみにしております。 (当日会場に来場できないお客さまでも後日弊社担当にお声がけいただければ、KDDI DIGITAL GATEにてデモ体験いただくことも可能です。)

最後に

今回は、小さなラジコンカーの制御でしたが、重機やモバイルロボット、特殊車両などにも応用は可能と考えております。本システムが将来遠隔操縦・遠隔操作のご検討をされているお客さまのシステムの一部としてお役に立てるようになるのであれば大変有難く思います。また、別のブログでも本システム構成での映像伝送・遠隔操縦のPoC支援のプログラムを紹介しておりますので、ご興味ある方はご覧いただけると幸いです。もちろんその他の用途でもAWS Wavelengthのご相談があれば是非仰ってください。