2022/06/17
皆さま、こんにちは。KDDI株式会社 DX推進本部 ソフトウェア技術部 コアスタッフ/KDDI CCoE(※1)リードの柴田です。
本エントリーをご覧いただきありがとうございます。 今回は、去る2022年3月14日に開催した、KDDI社内最大のクラウド1DAYイベント「KDDI Cloud Conference2022 ~Bridge the Gap~」についてお話ししていきます。
※1:CCoE= Cloud Center of Excellence。自社内のクラウド利用推進をさまざまな形で支援・牽引する専任組織。
KDDIのクラウド利活用は、2016年4月からKDDI内で公式に利用できるクラウドとしてAWSを採用したことに端を発しています。 以降、クラウド活用のけん引役としてのCCoE発足、クラウド利活用に関する有益な情報を共有し合う社内コミュニティの設立/活発化、AWS以外のクラウドを公式に利用可能とする社内ルールの改定といったさまざまな活動を経て、今やKDDIの事業に切っても切れない存在となる程まで、社内のクラウド利活用がスケールしてきました。
↓KDDIにおけるクラウド利用の歩み
出典:KDDI CCoE Bootstrapping 〜AWS公式採用から5年後の"いま"と"これから"〜(Mamoru Ohashi) https://speakerdeck.com/mamohacy/kddi-ccoe-bootstrapping-awsgong-shi-cai-yong-kara5nian-hou-false-ima-to-korekara
↓KDDIのAWS利用料推移(~2021年1月)
出典:KDDI CCoE Bootstrapping 〜AWS公式採用から5年後の"いま"と"これから"〜(Mamoru Ohashi) https://speakerdeck.com/mamohacy/kddi-ccoe-bootstrapping-awsgong-shi-cai-yong-kara5nian-hou-false-ima-to-korekara
このように、社内のクラウドの利活用の幅はますます広がっていく傾向にあるKDDIですが、改めて活用状況にフォーカスすると、活用されるクラウドの種類が偏っていたり、活用されている事業領域も一部だったりと、まだまだクラウド活用範囲が限定されるような一面もあるとCCoEとして感じていました。 他にも、クラウドの利用に踏み切れなかったり、あるいは、より高度な活用へチャレンジしようとしているが躊躇していたりする人がまだまだ沢山いて、CCoEとして彼らに何かしらの勇気を与えることができないか?とも感じていました。
そこで、この状況を打開するためのきっかけを作ることを目的に、クラウドに関する社内外の知見を集めた学びの社内イベントとして、「KDDI Cloud Conference 2022 ~Bridge the Gap~」(以下、KCC2022)を開催することとしました。
先述の状況を打開し、社内のクラウド活用を次のステージに進めるためには、いくつものギャップ(断崖)を認識し、自社との差分や立ち位置を確認することで、次に起こすべきアクションを検討するが必要あると我々CCoEは考えました。 よってKCC2022では、社内外の先進的なクラウドユーザーに登壇を依頼し、活用事例とその知見について講演いただくことで、クラウド活用の進め方や他社の人材育成・文化醸成など、外のモノサシで自分たちを知り、ギャップを乗り越えるきっかけを参加する社員に作ってもらうことを狙いとしました。
この"ギャップを乗り越える"というKCC2022のコンセプトは、" ~Bridge the Gap~ "という副題を付与することでも表現しています。
↓KCC2022のチラシ
KCC2022で乗り越えるべきとしたギャップは、種類もレベル感もさまざまです。言い換えれば、社内でクラウド活用をしている(あるいはこれから活用する)社員の立ち位置もさまざまであることから、そのような社員全員が今後のクラウド活用につながる示唆を持ち帰ることのできるイベントになるよう、企画/検討しました。
具体的には、KCC2022のセッション構成を、①社外のクラウド利活用事例→②社内のクラウドリフト/シフト事例→③社内/社外の先進的なクラウド活用事例、というようにリレーすることとしました。 セッション構成にストーリー性を持たせることで、社外/社外問わず幅広いステージのクラウド活用に触れられることを意図したものです。
↓KCC2022のタイムテーブル。赤矢印は上記①→②→③のセッション構成を示しています。 (※所属組織は2022年3月14日時点のものです)
また、講演セッション以外のコンテンツとして、KDDIでクラウド活⽤を推進してくれた⼈に贈る表彰プログラム「KDDI Cloud Champions Program」におけるKDDI Cloud SAMURAIの表彰式(※2)、および、運営メンバーがパーソナリティーを務める視聴者参加型のトークセッションを合間の息抜きとして追加しました。
(※2)KDDI Cloud Champions Programに関するブログはこちら↓ https://developers.kddi.com/blog/5PlMAOT9CMfaogZAFuAiFH
KCC2022に参加いただいた社員からは、「社外事例に触れたことが新鮮で刺激になった」「社内でクラウド活用をしている事例を知る機会がなかったので学びが多かった」「組織横断/部門横断で情報交換することの大切さを感じた」などなど、ここにすべて記すのが難しいほどたくさんの反響をいただきました。
↓アンケート集計結果の一部。多くの方に参加いただき、たくさんの反響をいただきました。
私個人としても、KCC2022の実行委員として登壇者の方とセッション内容の打ち合わせをしたり、当日の司会進行の中で参加者の一人として聴講させていただいたりと、ある意味一番贅沢な立場でイベントに参加させていただきましたが、どのセッションも実地に沿った貴重な経験から得た知見が散りばめられており、非常に濃密で気づきの多い内容でした。司会進行の役目として、セッションの合間にお礼を兼ねて感想を述べさせていただきまして、この感想に参加者の方からお褒めの言葉をいただいたのですが、これは私がどうこうではなく、ひとえにセッション内容の濃密さを裏付けることに他ならなかったと思います。
KCC2022のような規模の社内イベントを開催するのは今回が初めてで、運営を担当したメンバーも不安な点はありましたが、KCC2022の狙いである「クラウド活用の進め方や他社の人材育成・文化醸成など、外のモノサシで自分たちを知り、ギャップを乗り越えるきっかけを作ってもらうこと」を参加者のフィードバックから達成できたと確信しています。
参加いただいた社員はもちろん、運営メンバー各位、ならびに、ご講演いただいた社外/社内の皆さんに改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
↓KCC2022スタッフで撮った集合写真
↓KCC2022のTシャツ。オリジナルデザインで作成し、スタッフと登壇者に配りました!
KCC2022は成功に終わりましたが、これがゴールではありません。むしろ、これをスタートにKDDIのクラウド活用をさらに強力に推し進めていく必要があります。 幸い、KCC2022に参加いただいた社員には、クラウド活用を次に進めていくための示唆を少なからず持ち帰っていただけたことが分かっていますので、その種が結実するよう、CCoEとして多方面からサポートにあたっていきたいと思います。
KCCは、来年(2023年)にも開催すべく、今から企画/検討を開始しています。KCC2022は社内のクローズドイベントして開催しましたが、KCC2023はグループ会社と共同で開催するといった間口を広げることも検討しています。
クラウド活用には戦略/組織/人材/文化といったさまざまな観点でギャップが発生してきますが、それを乗り越えるための方法は見出すことができ、またKDDIはそのケイパビリティを持つ企業であることを、KCC2022とこれまでのCCoE活動を通じて強く感じています。これからのKCCも、そんなKDDIのクラウド活用の今後に寄与するようなイベントに仕立てていきたいと思います。
クラウド活用時のそのギャップ、みんなで渡れば怖くありません。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
KDDI 柴田